鹿教組委員長より

「県教研共同研究者総会あいさつ」

鹿教組執行委員長 今村 悟

imamura こんにちは。
 4月から鹿教組の委員長をしております、今村です。よろしくお願いします。
 本日は、第68次の県教研に向けての共同研究者総会を開催しましたところ、残暑厳しい中での開催にも関わらず出席いただきましてありがとうございます。また本年度の県教研の共同研究者をお引き受けいただきましたことに、改めて感謝申し上げます。参加者あっての県教研というのは言わずもがなだと思いますが、共同研究者あっての教育研究の深まりだと思っておりますので、本年度もどうぞよろしくお願いします。
さて、本日は2点について話をさせてください。
 1点目は、先日中村哲さんの講演を久しぶりに聞く機会がありました。彼は、パキスタンで医療活動を開始し、2000年以降はアフガニスタンを襲った大干ばつ対策のための水源確保、さらに灌漑事業に地域住民と一緒にとりくんで、干ばつ被害で荒れた土地や砂漠を、「緑の大地」に変えてきていることを紹介しながら、こんな話をされました。「飢餓に苦しむ瀕死の小国に対し、2001年から世界中の強国が集まってとどめを刺した。無論、罪のない大勢のアフガン人が死んだ。人々は干ばつと飢餓から逃れようと、タリバン軍、政府軍、あるいはISに加わって、戦争に参加してきた。しかし、故郷で水が確保され、農業を再開できるようになると、戦争なんか止めて、故郷に帰ってきた。彼らは三度の飯が食えて、家族と故郷で暮らせる、それで十分、電気なんかなくて構わないのです。」と語っていました。また、「今、人類にとって怖いのは、気象変動だ。」とも語っていました。彼の経験から来るこれらの言葉に照らしても、トランプ政権のパリ協定からの離脱やアフガンへの増派計画は考えられないことですし、日本も、南西諸島防衛や北朝鮮のミサイル対策に躍起になるのではなく、武力によらない平和、そして人権・環境を守るとりくみにこそ力を注ぐべきだと改めて思った次第です。
 2点目は、8月11日の鹿教組の学習会の講師として、福島県教組の委員長の角田政志さんに来てもらったときに、福島の教育現場の状況をたくさん聞きました。その中で、震災・原発事故から6年、いまだに多くの家族が自宅を離れ生活し、また元の学校での授業が再開できない学校が数多くある中、県教委などの教育行政が学校現場に求めるのは、他県と一緒、やっぱり「全国学力テスト」をはじめとする点数学力向上と、体力の向上だ。確かに、子どもたちの運動不足は否めないが、体力の向上といっても、中身は、競技力の向上を求めていると聞きました。熊本地震から1年後の熊本県の学校現場の状況でも、熊本県教組の上杉書記長が、同じようなことを語っていたことを思い出しました。
 福島県教委も熊本県教委も、学校現場に求めるもの、教育施策の方向が違うのではないかと思うし、やっぱり悉皆調査で行われている「全国学力テスト」と「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」も、ごく少数の抽出調査に、まずは早く変えないことには、学校は世の中で何が起こっても、全国どこに行っても、「学力テスト」、「体力づくり」一辺倒という状況は変わらないのではないかと、お話を聞きながらつくづく思ったところです。
 最後に、本日のこの総会がみなさんの論議で充実したものになりますよう祈念しまして、あいさつとします。どうぞよろしくお願いします。

更新日:2017/08/28